『No.1295 決して僕らを置いてはいかない』 【ジェジェ・ド・リュリュ/2020】 ドメーヌ・デ・バルメット/フランス・ルーション ・グルナッシュ・グリ 100% 合わせた夕飯 ・よだれ鶏 ・麻婆豆腐 ・炊き込みご飯のおにぎり 抜栓し、グラスに注ぐ…だいぶべっ甲が過ぎるような琥珀色。これはもう紹興酒のよう。むしろロゼ？グラスの奥底から、花の香りのようなアロマっぷり。そしてほんのりお茶…紅茶や烏龍茶的な。 そして一口…口中に入り始めの時はほんわりとした曖昧さ。徐々に味わいが。酸味はほんのり、どことなく桃やオレンジのような甘やかさとほろ苦さを醸し出す果実味。タンニンはしっかり。でも嫌味じゃないタンニンさが好き。紅茶や烏龍茶のような風合いに、ちょっとナッツ類の香ばしさ。鼻から抜ける花のアロマ。複雑さを感じさせる味わいだけど、しっかり地に足がついた感はあるので、飲み手を置いてきぼりにしない誠実さが感じられる。 紹興酒を思わせるような色合いだからか(たぶん違うかもだけど)、今夜の夕飯に実にドンピシャ！よだれ鶏、麻婆豆腐共に辛味が強い。そんな時ちょこっと一口いただくと、少し辛味が和らいだような…そんな気分。甘やかな果実感と、お茶のニュアンスが不思議とこういうエキゾチックな中華に合うのかな…なんて思ったりするわけで。 それにしても、この液体に上手に溶け込んだタンニンはいいなぁ。何だか気持ち良い。アフターもだらっとした感がなく、ついついもう一口と欲しがってしまうわけで。 ごちそうさまでした。

カリヤカ・ズノリ