グラスに注いだ瞬間、淡い金色が静かに輝く。その輝きは、まるで朝露に濡れた白い花びらが太陽に照らされ、輝き始めた瞬間のようだ。 香りは鋭く、そして鮮烈。青リンゴやレモンの皮が弾けるような爽快さの奥に、塩気を含んだ海風のようなミネラルが漂う。それはまるで、ブルゴーニュの冷涼な風が葡萄畑を吹き抜ける情景がそのまま閉じ込められたかのよう。 ひとくち飲めば、その緻密な酸が舌の上を駆け抜け、キリリとした骨格が鮮やかに浮かび上がる。時間が経つにつれ、ハーブや白胡椒のニュアンスが現れ、まるで静かな森の奥へと誘われるような余韻が続く。 このワインは、凛とした強さの中に気品が宿る。どこか研ぎ澄まされた侍のような佇まいを感じさせる1本だ。

Jun KOMIYA