今年のワイン始めは、ワインにハマるきっかけとなったケンゾーエステートの紫鈴さん。普段購入しているワインの価格帯からだいぶ跳ね上がるが、原点を思い出す意味でも年1回は飲み続けたいなぁと思う。 相変わらず開けた瞬間からいい香り。熟したプラム、少し酸味のあるブラックベリーの香り、杉の木のような深い樽香も感じる。 口当たりは濃厚で、最初はあふれるような葡萄の果実味が甘さと共に目一杯に広がり、そこから繊細な世界が始まる。タンニンがとにかくシルキーで細やか、ぎゅっと凝縮された果実味が糸を縫うように混ざり合い、甘みと苦味のバランスを完璧に保っている。酸もとにかく絶妙な強度で寄り添い、伸びやかな後味を演出してくれる。そして、鼻に抜ける複雑なアロマの心地よさといったら。ここがもっとも重奏的で、このワインの魅力が詰まったポイントだと思う。本当に脳がクラクラするような素晴らしい余韻。飲むたびに、うまい！やばい！と思わず声に出してしまうくらい好み。 ナスとペンネのトマトグラタンと。もうばっちり。トマトソースのコクや酸味がワインの美味しさを引き立ててくれる。意外と良かったのがグリュイエールというチーズとの組み合わせ。クリーミーで生乳の甘みが強めなので赤と合うかな？と思いきや、こちらもワインの奥深い味わいを引き立ててくれてとてもおいしい。グリュイエール自体にハマりそう。 今年は何回飲めるだろうか。モチベーションを高めてくれる、自分にとって特別なワインだ。

hbk