ワインには物語がある。 デートの日の朝、不測の事態に備え、部屋を念入りに掃除してマンションのゴミ置場に赴いた。 西麻布のマンションは恐ろしい。 芋焼酎の空瓶を捨てながら、高いワインの空瓶の多さに驚いていたら、カプセルも剥がされていない埃を被ったコイツと目が合った。 何故捨てる？ 金持ちの考える事はよく解らん。 捨て犬を見つけた心境で部屋に持ち帰り、そっと体を洗い流して冷蔵庫にしまう。 よし、部屋に女子が訪れても冷えたシャンパンを颯爽と出せる。 いざデート。 美術館に行き、恵比寿で飯を喰らった後、 「せっかく恵比寿ingだから、もう少し恵比さない？」と申した所、 「ごめんなさい、睡眠不足で眠くなっちゃったから今日は帰るね」と。 恐らく常温放置プレイの憂き目に遭ったコイツは、かなり熟成の進んだ色で、ブリオッシュ、杏子、蜂蜜全開で、淋しい男の喉を潤したのでした。

hamadance

え！？ 捨ててあったんですか？ なんか怖いですね… どこまでが本当で、どこからが妄想なのでしょう笑(^^)♪

末永 誠一

全部本当です！

hamadance

素晴らしい物語ですね(^^) 放置プレイが良かったんですね〔笑〕

ノアール

出来ちゃった古酒です 笑

hamadance