J.Cacheux Echezeaux Grand Cru　2016 外観は向こうをやや透かすくらいの濃い、紫色が少し入ったルビー 香りはレッドチェリー、ワイルドベリー、ラズベリーが立ち上り、一度回すとそこからスミレ等の香り高い花の香り、紅茶、マッシュルーム、アニス、スパイス、そしてバニラ等の樽由来の香りがぶわっと… お味は…一口目は流石に靄がかかっている。少しザラつきのあるタンニン、やや浮いた酸味、しかしながら爆発的な果実味… …しばらく時間を置き、靄が晴れるのを待つ…そして…靄が晴れた時、タンニンはビロードのように滑らかになり、酸味は落ち着き、バランスがこれ以上ないくらい取れた…そして改めてこのワインが持つ上品で、官能的な、凝縮された果実味に圧倒される…ミネラル感も感じる…「飲む宝石」という言葉を改めて使いたくなる まだ若いはずなのに余韻が異常なほど長い…これが…これが…ジャック・カシューの…エシェゾー… 某漫画みたいな表現になってしまうが…なんと、なんと素直な上品さ。気高さ。気品がありながらも誰かを試すことも、誰かを跳ね除けることもしない優しさを強く持っている。 あぁ…なんともはや…これに出会ったのがワインを飲み続けて１０年以上経った今で本当に良かったと圧倒的に感謝している。この機会を与えてくださり、私のような若輩に飲ませてくださった白河のソムリエSさん、本当に、本当にありがとうございます… 今でなければこのワインの素晴らしさをわかることすらできなかったであろう…或いは「ここまでこれたこと」へのバッカス、松尾様、そしてソムリエSさんからの一つのご褒美だったのかもしれない…ありがとうございます。 これからも精進します。決して歩みを止めることなく、粛々とただ一歩ずつ美酒への歩みを怠ることなかれ。 再度になりますが、本当に、本当にこの素晴らしいワインを、私のような若輩が一緒に飲むことをゆるしてくださったソムリエS先輩本当にありがとうございました…！ 確定★5。これより上のワインに出会うことはあるかもしれないけど、このワインに出会えた思い出は、生涯忘れない

Suekko.Ariga